· 

八丈島のくさや

こんばんは、Rieです。

今日は超臭い干物「くさや」のお話。
くさやといえば伊豆七島の名産。
見た目は普通の干物です。
でも、とっても臭い干物です。
焼くとその煙から出る臭いもきついので、かなり近所迷惑にもなるため、焼く場所も限定されてしまいます。

なんでそんなに臭い干物にする必要があるの?
それには理由があります。

伊豆七島といえば海。海産物は豊富にとれます。
干物にすれば保存性も高まります。

干物にするためには塩が必要です。
目の前の海水を使って塩を作るので、塩もたくさんあります。

でも、時は江戸時代。
作った塩はみんなお江戸に取り立てられてしまいます。

干物を作りたくても塩が足りない!
「それなら干物を漬けた際に出た汁を使おう♪」
と、軽いノリで始めたかはわかりませんが、本来なら捨ててしまう塩漬けした後の汁の再利用だったのです。
そして、その汁で漬けた干物がくさやなのです。

発祥は新島と言われています。
最初は単なる臭い干物だったけど、だんだんと臭いけど美味しい!臭いけど奥深い味!
そんな噂が広まり、いつの間にか他の島々にも広まったと言われています。

ところで、昨年10月に八丈島に旅行に行きました。
実は私、くさや大好き♪
宿の方オススメはトビウオのくさや!
ムロアジより身がしまっておいしい!と言われましたが、本当にそうでした♡

くさやの臭いを表現すると、「トイレの臭いと靴下の匂いをあわせた香りの干物」と私は思います笑
でも、食べると干物よりもっと奥深い味と香りを楽しめる逸品だとも思っています。

今回八丈島で食べたくさやは臭いけど食べると普通の干物に近い!

宿の方のお話によると、他の離島では漬けたままのものが売られているけど、八丈島は降水量や湧き水が多いため、水が豊富にある。漬けた干物を何度も水洗いしているそうです。
だからこの表現が正しいかどうかわからないけど、あっさりしています。

同じ宿で一緒にくさやを食べたくさや好きの人と私。
二人で「くさやなのに臭くない!」と言っていましたが、

でも、くさや初心者にとっては「思っていたより食べやすい。だけどやっぱり臭い」そうです。

まあ、とりあえずくさやデビューの際は心配なら八丈島産から始めるのがおススメです😆

それにしてもこのくさや。
何故腐らないのか?
それがわからない不思議な食べ物。

食品の保存方法には「塩漬け」「酢漬け」「アルコール漬け」などがあります。

でもくさやの場合、
塩の漬け汁だから塩分濃度は低い。
(食品保存に必要な塩分が足りていない)

PH値も中性に近い。
(食品保存に必要な酸が少ない)

くさや液に酵母がいない。
(酵母がいないから食品保存に必要なアルコールもない)

なのに何故腐らないのか?
宿の方の話しによると
傷口にくさや液をつけると傷がすぐ治るらしい😵

発酵を勉強していつも思うのは、
そこに働いている菌の種類はわかっているけどどうしてそうなるのか?
そのメカニズムがわかっていないものばかり!

実は世の中まだまだわからないものばかり。
それを知ってから
「これがいい!」「こうしなきゃいけない!」そんな情報をかなり達観した目で見るようになりました。
発酵菌のおかげです笑